◇数的処理の中の数的推理
公務員試験の教養試験で最も多く出題され最も厄介とされているのが数的処理です。上級試験では市町村(スタンダード)40問中14問、地方上級50問中16問、市役所(ロジカル)になると40問中18問、国家一般職40問中16問と満点の4割以上を占めます。
数的処理は数的推理と判断推理で構成されますが、多くの受験生が苦手としているのは数的推理のほうです。
◇数的推理とは
数的推理は主に比・割合、方程式、整数の性質、確率から成ります。比、割合は小学校の算数、方程式は中学数学、整数の性質、確率は高校数学で習いますが、公務員試験で問われるのはその基礎的知識を利用して柔軟に考えられる能力があるかどうかです。知っておかなければならない基礎的知識はかなり初歩的なものですが、しっかり理解していなければ解くことができません。
特に重要なのが比・割合です。ここでつまずいて算数・数学に苦手意識をもつようになった方はとても多いと思います。しかし、一旦理解して感覚として身につければ、さまざまなことを考える際の便利な道具になります。
数学の得意な方や理系出身の方は数的処理の中でも数的推理が楽という方が多いです。判断推理は処理に時間がかかるのに対し、数的処理は短くて済むからです。
◇数的推理の対策(初中級・高卒程度)
初中級・高卒程度試験は一次突破ラインが極めて高く、数的推理を捨てることはできません。しかし、上級・大卒程度試験に比べると問題の難易度が低いので、先述のとおり基本を理解してある程度の演習を積めば安定的な得点源となります。逆に言えば、基本の理解なくして合格は望めないでしょう。
◇数的推理の対策(上級・大卒程度)
上級・大卒程度試験は問題自体の難易度は初中級レベルの易しいものから試験ではとうてい解くことができないだろうものまで入り混じっています。一般的には市役所、地方上級、国家一般の順で難易度が上がります。
対策としては得点すべきレベルの問題を中心に演習し、本番で解けないような難問は捨てるという意識で数的処理のみに時間をかけ過ぎないことが重要です。難問にかける時間は人文・社会科学や専門科目にあてるほうが合格という見地からは効率がよいです。
◇リシュの対策
数的推理が苦手な方は比・割合、方程式を理解することから始めます。実際にリシュに通われるほとんどの方は数的推理を克服する目的で通塾されています。みなさん公務員試験を目指すだけあり熱心に取り組むので、初中級レベルはすぐに解けるようになります。
上級レベルは苦手な人にとってはやはりハードルが高いようで、本番で出題されたら解くべき問題を中心に取り組むようにして、数的推理の5~6割の得点を目標にしています。
苦手でない方には過去問をどんどん解いてもらっています。それでもやはり捨てるべき問題はあるので、そこにこだわらないよう注意しながら進めています。